東アジアの女子サッカーはヨーロッパに負けず劣らず、トップレベルのチームが生まれている。その事実はFIFA女子ワールドカップでの成績を見れば一目瞭然だ。2011年には佐々木則夫監督率いる日本女子代表が快進撃を見せ、世界の頂点まで上り詰めている。またそれ以前に中国もワールドカップに2度出場し、女子サッカー界に確固たる地位を築いた。東アジアの女子サッカーの強さを考えれば、EAFF女子東アジアカップはワールドカップにも引けを取らない、世界レベルの大会と言える。当然、大会で競い合う選手たちも皆ワールドクラスだ。
2011年に日本を世界一に導いたMF澤穂希(SAWA Homare)は今や国民的スター選手である。だが2005年に韓国で開催されたEAFF東アジア女子サッカー選手権(昨年、EAFF女子東アジアカップに名称変更) 出場当時、今ほどの世界的知名度はなかった。その才能がいかんなく発揮されたのは2008年大会(中国・重慶)である。強豪国の朝鮮民主主義人民共和国を相手に決勝ゴールを決めるなど、抜群のパフォーマンスで日本を牽引し、大会MVPを獲得。2010年にはチームを2連覇に導いた。
中国サッカー界のスター、韓端(HAN Duan)も重要な選手のひとりだ。澤と同様2005年大会で初出場しており、188試合で101ゴールというすばらしい記録の持ち主である。2008年大会でも韓国から2得点するなど存在感を発揮し、その後は当時の 女子プロサッカー最高峰、アメリカのWPSに参戦した。
朝鮮民主主義人民共和国で忘れてはならないのが、伝説的プレーヤー、リ・グムスク(LEE Geum-suk) だ。FIFA女子ワールドカップに3回出場し、同国代表の中心選手として世界から注目を集めた。EAFF東アジア女子サッカー選手権には2005年、2008年と連続出場。力強いシュートと強固なフィジカルを武器に、2008年大会では日本と韓国からそれぞれ1ゴールを奪い、チームの軸として活躍した。
今年の開催国、韓国代表ではチ・ソヨン(JI So-yun)に注目したい。2010年大会(東京)では中国戦で1ゴールを挙げ、2011年のFIFA U-20女子ワールドカップではベスト3進出に貢献した。こうした活躍により国外でも知名度を高め、現在は日本のなでしこリーグ、INAC神戸レオネッサでプレーし、日本の有名選手たちと切磋琢磨している。