Overview
EAFF 東アジアカップ2013で覇権奪回をもくろむ韓国代表。アジアサッカー界ではトップクラスの強豪だが、2014FIFAワールドカップブラジル アジア最終予選で見せたのは不本意なプレーだった。予選は突破したものの、ファンの反応は芳しくない。ワールドカップ本大会を1年後に控えた今、新たに就任したホン・ミョンボ(HONG Myung-bo)監督の下で名誉挽回をねらう。新しいチームの初陣となるEAFF 東アジアカップ2013はきわめて重要な大会だ。人気選手のキ・ソンヨン(KI Sung-yueng)によるSNS騒動以降、チームの規律は弱まり、世間の評価も下がっている。そんな彼らにとって、今大会での優勝はもはや必須事項と言っていい。
ホン・ミョンボ監督はKリーグやJリーグで実績を積んだ選手たちを多く選出した。その結果、前任のチェ・ガンヒ(CHOI Kang-hee)監督の頃とはまったく異なるチームが構成された。パク・チョンウ(PARK Jong-woo)をはじめとする6人は2012年ロンドン五輪でホン・ミョンボ監督の下、銅メダルを獲得したメンバーである。また現代表チームの中で、ホン・ミョンボ監督の指導を受けた経験を持つ選手は彼らを含め14人にのぼるため、短期間でもチームを立て直しやすいだろう。Kリーグで大活躍中のキム・シンウク(KIM Shin-wook)、イ・ヨン(LEE Yong)、イ・スンギ(LEESeung-gi)、ヨム・ギフン(YEOM Ki-hoon)らがいかにチームと融合するか見ものだ。
Head Coach ホン・ミョンボ(HONG Myung-bo)
現役時代はアジア最高のDFのひとりと評されたホン・ミョンボ。監督としてのキャリアの初めは、ディック・アドフォカート(Dick ADVOCAAT)(2005~2006年韓国代表監督) のアシスタントコーチだった。その後は2007年AFCアジアカップ、2008年北京五輪、2009年FIFA U-20ワールドカップエジプト、2010年広州アジア大会といった有名な大会で持ち前の指導力を発揮。監督を務めた2012年ロンドン五輪では韓国サッカー史上初のメダル獲得へ導き、時の人となった。フース・ヒディンク(Guus HIDDINK)監督率いるロシアのFCアンジ・マハチカラで指導法を学び、韓国代表監督となった彼の最初のミッションは、落胆したファンのイメージを回復することだ。そのためにEAFF 東アジアカップ2013のタイトルは不可欠である。新米監督が代表チームでどのような采配を振るうのか興味深い。
Star Player キム・シンウク(KIM Shin-wook)
欧州組不在 の新生韓国代表の中でも、ストライカーのキム・シンウク(KIM Shin-wook)はベストコンディションだ。今シーズンのKリーグクラシック(トップリーグ)では、第17節終了時点で9得点をマーク(2013年7月12日現在) 。2メートル近い長身から繰り出すポストプレーが持ち味で、強力なキックも相手チームに脅威を与える。今大会でもDFから最もマークされるだろう。だが今まで、韓国代表ではあまりインパクトを残していない。代表デビュー以降の13試合はピッチとベンチを行ったり来たりで、わずか1ゴールにとどまっている。Kリーグでの実績を考えれば、このパフォーマンスはあまりに物足りない。EAFF 東アジアカップ2013は、キム・シンウクが韓国代表の中心選手として臨む初めての大会になるのではないかと見られる。この大きなチャンスをものにできるか、注目だ。