EAFF女子東アジアカップ2013が男子以上に豪華な顔ぶれであることは異論がないだろう。FIFAの日程上の 規定によりベストメンバーを組めない男子と違い、女子は各国のトッププレーヤーが出場する。そのため、よりハイレベルな試合が期待できるのだ。
最初に目を引かれる選手といえばチ・ソヨン(JI So-yun)である。現在、INAC神戸レオネッサでプレーする彼女は、まぎれもなく韓国のトップ選手だ。チームの攻撃を巧みに操るゲームメーカーで、鋭いキックが武器。弱冠16歳で国際Aマッチにデビューし、代表選手として数々の試合経験を積んできた。FIFA U-20女子ワールドカップではシルバーボール(大会最優秀選手2位) 、シルバーブーツ(得点ランク2位) を受賞。こうした国際舞台での実績から、韓国女子代表での存在感は高い。
日本は世界でもトップに位置するチームのひとつとして知られる。優秀な選手が多く、数人に絞るのは難しい。バロンドール受賞者の澤穂希(SAWA Homare)は欠場するものの、フランクフルトの田中明日菜(TANAKA Asuna)と安藤梢(ANDO Kozue)、リヨンの熊谷紗希(KUMAGAI Saki)、チェルシーの大儀見優季(OGIMI Yuki)、ホッフェンハイムの岩渕真奈(IWABUCHI Mana)ら、欧州リーグで実績のある選手が数多くそろう。経験豊富な選手たちで3連覇をねらう日本だが、中でも最注目選手は大儀見だ。これまで国際Aマッチ98試合出場で45ゴールを決めており、大野忍(OHNO Shinobu)と並ぶ日本の主砲。今年のEAFF女子東アジアカップ2013でも活躍し、歴史に名を刻むストライカーとして、さらなる高みへの到達が期待される。
女子サッカーにおけるアジア・パワーの一角を担う中国は、キャプテンの浦瑋(PU Wei)に注目が集まる。1999年FIFA女子ワールドカップ、2008年北京五輪を経て、中国女子サッカーの歴史とともに歩んできた33歳のベテランMFだ。国際舞台での経験とリーダーシップでチームを良い方向へ導き、さらには過去の栄光を取り戻す一助となることをチームは期待している。
大会に参加するかどうかが話題となった朝鮮民主主義人民共和国は、二人のトップ選手に注目したい。ストライカーのリ・イェギョン(LEE Ae-gyeong) とラ・ウンシム(RA Eun-sim) はともに積極的かつダイナミックなプレーが持ち味で、シュート力に優れる。2010年のアジア競技大会で母国の銀メダル獲得に大きく貢献し、2012年ロンドン五輪でも活躍した。2000年代半ばに朝鮮民主主義人民共和国を世界のトップレベルへと押し上げたリ・グムスク(LEE Gum-suk)やチン・ピョルヒ(JIN Byeol-hi) の後を継ぐ次世代選手として人気を集めている。