実力で上回る韓国がキックオフ直後からボールを支配。しかし、最終ラインに5人が並ぶ香港に引いて守られ、なかなか持ち前の素早い攻めができない。香港も韓国のパスミスを拾い、逆襲に出るがパスがつながらず、スローな展開で序盤はすすんだ。両チーム通じての初シュートも11分、韓国のアン・ジョンファンが右足で放ったものだった。
なかなか見せ場を作れない韓国だったが、22分、イ・ウルヨンの強烈な左足のシュートでスタンドが久々に沸く。ゴールが生まれたのはこの直後。右CKからゴール前で混戦となり、こぼれ球をキム・ドヒョンが左足で叩いて、ようやく韓国が先制する。
一方的な展開になりかけたが33分、逆に香港がワンチャンスをものにした。シートウ・マンチョンのFKからゴール前に上がったボールをローレンスが相手DFと競り合いながらも粘り強くボールに絡み、右足で押し込み同点。その後も韓国の優勢が続いたが、結局、前半は同点のまま折り返した。
後半も立ち上がりから韓国ペースで進み、50分、ユ・サンチョルからのロングパスを右サイドで受けたキム・デイが前線に折り返し、これをキム・ドフンが頭で叩き込み勝ち越すと、57分には右CKからアン・ジョンファンがヘディングで3点目を挙げ、試合を決定づけた。前後半を通じて香港が放ったシュートはわずか3本。これに対して韓国は23本と数字の上でも圧倒したゲーム内容だった。
試合後、韓国のウンベルト・コエリョ監督は、「相手が守備的だったし、初戦ということもあって前半はプレーが硬かったが、後半になってようやくチームが機能し始めた」とゲームを振り返った。格上の韓国が順当に勝利を収めた東アジアサッカー選手権2003決勝大会のオープニングゲームだった。
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