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カナダで熱戦が繰り広げられたFIFA女子ワールドカップ。日本、中国、韓国の女子代表は、全て決勝トーナメントに進出。

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10passion

July 21, 2015

No.45

カナダで6月6日に開幕した2015FIFA女子ワールドカップは、アメリカが3度目の優勝を飾った。前回王者として連覇に挑んだ日本はアメリカに決勝で5−2と敗れはしたものの、2大会連続のファイナリストとして堂々の準優勝。中国はベスト8、韓国もベスト16に躍進した。

日本

日本は初戦でスイスの組織的なパスワークと前線のドリブルに苦しめられたが、要所で勝負強さを発揮し1−0で勝利した。しかし、先制点につながるPKを獲得した場面でFWの安藤梢がGKと接触して左足首を負傷。経験豊富なFWを欠く事態となった日本の佐々木則夫監督は続くカメルーン戦で、初戦はサイドハーフだった大野忍を前線に上げる布陣を採用。身体能力の高い相手に粘り強い戦いを見せて2−1で勝利し、2試合で決勝トーナメント進出を決めた。

大幅にメンバーを替えてエクアドルに勝利した日本はラウンド16でも、強力な3トップを誇るオランダの高い組織力を封じ2−1で勝利。宮間の左からのパスを岩渕真奈がスルーし、2列目から走り込んだ阪口夢穂が流し込んだ2点目は世界のファンから絶賛された。準々決勝はアジアのライバルであるオーストラリアと接戦になったが、後半41分にCKから練習で仕込んでいた高度なコンビネーションを実現させ岩渕が決勝ゴールを記録した。

準決勝では前回大会のグループリーグで敗れたイングランドとの接戦をカウンターからオウンゴールに結び付く決勝点で2−1と制し、バンクーバーでのファイナルに進出。帰国していた安藤も再び合流し、アメリカ戦で悲願の連覇に挑んだ日本は開始早々のCKから速いボールに合わされる形で失点し、立て続けに4点を奪われた。そこから粘り強く2点を返した日本はアメリカに5点目を決められたものの、前回王者の意地を見せる戦いぶりで、堂々の準優勝で大会を終えた。


中国

中国は開幕戦で開催国カナダに1−0と惜敗したが、オランダ戦ではGKのフェイ・ウァンが鼓舞する堅い守備と若き司令塔タン・チャーリーを中心とした鋭いカウンターを駆使し、90分にウィングのリシ・ウァンが殊勲のゴールを決めて1−0の勝利。さらに体格で上回るニュージーランドとの激戦を2−2で乗り切り、A組の2位で決勝トーナメントに進出した。

ラウンド16ではカメルーンを相手に11分のCKからのリ・ドングナのパスにウ・サンサンが合わせる形で先制。そこから爆発的なスピードで反撃に出て来たカメルーンに多くのチャンスを作られたものの、23歳の俊速FWエンガナモイをセンターバックのリ・ドングナと左サイドバックのリュ・サンサンが高い連携で止めて逃げ切った。


準々決勝では強豪のアメリカに組織的なハードワークで対抗し、ボール支配率でもわずかに上回ったが、力強いロングボールから大型MFのカルリ・ロイドにヘディングで合わされた形で失点し、多くのチャンスを相手の守護神ホープ・ソロに阻まれ、惜しくも勝利はならなかった。それでも中国にとっては自国開催だった2007FIFA女子ワールドカップから2大会ぶりのベスト8。若手のタレントも台頭し、8月に中国の武漢で行われるEAFF女子東アジアカップ2015、さらに将来に向けて収穫の多い大会となった。


韓国

2003FIFA女子ワールドカップ以来の本大会となった韓国はいきなり優勝候補のひとつであるブラジルと対戦し、立ち上がりから持ち前のハードワークで奮戦したものの、チャンスを確実に決められて2−0と敗戦した。それでも気持ちを切り替えて臨んだコスタリカ戦は大黒柱のチョ・スヤンを軸にボールを支配。前半16分にロングパスからダイナミックな先制点を決められたが、すぐにPKを獲得して追い付くと、カン・ユミの右からのクロスにゼヨン・ガユレが合わせて鮮やかな逆転ゴールを奪った。終始、優勢に戦いながら終盤に再び中央を豪快に破られ同点に追い付かれたが、3試合目に希望をつなげる内容だった。

決勝トーナメントをかけたスペイン戦は大会のグループリーグ全体でも“ベストバウト”の1つと言えるドラマチックな試合となった。お互いが中盤を起点に積極的な攻撃を見せ、ゴール前の攻防も多い見応えある展開の中で、韓国は前半の28分にドリブルからのマイナスクロスをベロニカ・ポクェテに合わされ先制されるが、後半に見事なサイド攻撃からチョン・スヤン、さらにキム・ユタンの右から上げたボールがそのままゴールする形で逆転。終盤に守備的な布陣をしいた韓国は途中出場のペルムデスのシュートがバーを直撃する幸運もあったが、激戦をものにしてグループリーグ突破を決めた。ラウンド16のフランス戦は開始3分と7分に失点したことが響き、後半の反撃も及ばず3−0で敗れたが、3大会ぶりの参加でベスト16という胸を張れる結果となった。

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