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世界の舞台で躍進 ― FIFA U-20女子ワールドカップジャパン2012総括

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10passion

October 27, 2012

No.16

EAFF加盟国の3カ国が上位進出

EAFFに加盟する3カ国が、世界の舞台で眩しいほどの輝きを放った。8月19日から9月8日にかけて開催されたFIFA U-20女子ワールドカップジャパン2012で、日本、韓国、朝鮮民主主義人民共和国の3カ国が上位進出を果たしたのである。

なでしこジャパンにあやかって『ヤングなでしこ』と呼ばれる日本は、グループステージを首位で通過する。持ち前のパスサッカーで主導権を握るスタイルは、地元の観衆を多いに沸かせていった。スイスとの第3戦は相手にわずか1本のシュートしか許さず、4対0の勝利で決勝トーナメントへ弾みをつけた

韓国と日本が準々決勝で対戦

史上初のベスト4入りをかけた準々決勝の相手は、EAFFの盟友・韓国だった。両チームは2年前のFIFA U-17女子ワールドカップ決勝で対戦し、PK戦で韓国が世界の頂点に立っている。日本の吉田弘監督は、「自分たちのサッカーをして勝ちたい」とリベンジに燃えていた。



互いのプライドがぶつかり合う一戦は、序盤から激しい攻防となる。日本が8分に先制すれば、韓国が15分に追いつく。4分後、再び日本が突き放す。やがて、ホームの後押しを受けた日本が、ピッチ上を自分たちの色に染めていく。37分、今大会絶好調の田中陽子が、グループステージから4試合連続のゴールを叩き出す。試合はそのまま3対1で終了し、日本が4度目の出場で史上初のベスト4に名乗りをあげたのだった。

2度目の世界一を目指した朝鮮民主主義人民共和国


日本と同じくグループステージを首位で通過した朝鮮民主主義人民共和国は、アメリカと準々決勝を戦った。優勝経験を持つ両国の激突は、1対1のまま延長戦へ持つれこむ。

スコアが動いたのは、延長前半98分だった。アメリカがリードを奪ったのだ。朝鮮民主主義人民共和国は必死の反撃を試みるが、どうしても得点を奪えない。2度目の世界一を目ざした戦いは、ベスト8で終わりを告げたのだった。

3位で大会を終えた日本

EAFFの加盟国で唯一4強入りを果たした日本は、準決勝でドイツと対戦した。開始早々に失点を喫した日本は、前半20分を待たずに3点のビハインドを背負ってしまう。連戦の疲れを振り払って反撃を仕掛けるものの、ドイツの壁は厚かった。「立ち上がりの失点で浮足立ってしまった。自分たちのリズムで、なかなかボールをまわせなかった」と、試合後の吉田監督は悔しそうに振り返った。

しかし、4日後の3位決定戦では、ナイジェリアを2対1で振り切った。24分、田中陽子のミドルシュートで先制すると、50分には柴田華絵のスルーパスから西川明花が追加点を奪う。ナイジェリアの猛攻を1点にとどめ、日本にとっては過去最高の3位に輝いたのだった。



日本、韓国、朝鮮民主主義人民共和国の3か国が8強以上の成績を残したのは、EAFFのレベルの高さを示したと言っていい。グループステージで敗退した中国も、準優勝のドイツと1対1の引き分けを演じている。また、日本はフェアプレー賞を受賞した。

個人タイトルでも、EAFF加盟国の選手が表彰を受けた。柴田華絵(日本)がシルバーシューズを受賞し、金恩花(朝鮮民主主義人民共和国)が大会得点王(7ゴール)に輝いた。同2位(6ゴール)には、田中陽子が食い込んでいる。

第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)に続いて、EAFF加盟国は世界にその名を轟かせた。FIFA U-20女子ワールドカップジャパン2012は連盟全体の刺激剤となり、さらなるレベルアップを促していくに違いない。

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