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10MAトップインタビュー モンゴルサッカー協会会長 GANBAATAR Amgalanbaatar氏 

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10passion

November 24, 2015

No.50

国際大会の開催、ユース世代の育成や女子サッカー普及を進めるモンゴルサッカー

今年2つのAFC選手権大会予選の開催、EAFF加盟協会同士では初めてとなる日本サッカー協会(JFA)とのパートナーシップ協定の締結など、モンゴルサッカーの強化、発展を推し進めるモンゴルサッカー協会(MFF)。会長のGANBAATAR Amgalanbaatar氏にモンゴルサッカーの現状や今後の展開について語っていただきました。

AFC U-16選手権2016予選開催ホスト国になったことについて

-まず初めに2015年9月に開催されたAFC U-16選手権2016予選グループ Kのホスト国となった経緯をお教えいただけますか。

今年2月に、MFF(モンゴルサッカー連盟)憲章がFIFA憲章に沿った形で承認されました。その後MFFは新体制のもと、平和、団結と連帯の名の下にサッカーを推進していくことを決議しました。その包括的目標の達成に寄与すべく、MFFはAFC U-16選手権予選を9月16日から20日までウランバートルで開催することを決め、AFCに申請しました。AFCからの承認が得られ、この素晴らしい予選大会を開催できることを誇らしく、また楽しみに感じる一方で、それに伴う大きな責任に関しても十分に意識しています。


-若い世代とはいえサッカー先進国の日本代表などの試合を生で観戦する機会が増えることは、多くの地元民にとって貴重な経験だと思いますが、その他に開催国になったことによりどういったレガシーを残していきたいと考えていますか。

大会への参加にあたり、モンゴル代表の歴史上初めてU-16代表チームが招集されました。順調に行けば将来モンゴル代表を構成する可能性のある選手たちです。もちろん、日本代表などのような格上の代表チームと比較すれば我々には学ぶべきことが数多くありますが、選手も指導者も経験を積むことができる今回の大会を我々は心から楽しみにしています。また、モンゴル代表チームもU-16代表の結果によって、世界における自分たちの立ち位置や改善点等を検証する材料となるでしょう。このような大会や他チームから得られる知識と経験を元に、将来的にモンゴル代表チームのパフォーマンスを向上させていくことが可能だと信じています。
また、サッカーファンやスポンサーにとっても、国際的に評価の高いチームのサッカーを味わうことができるよい機会となります。我々の期待以上にファンの多くはサッカーに対し、強い情熱を持っていることを実感しています。


-この予選開催を行った経験を今後のモンゴルサッカー界や国民、国内のサッカーの盛り上がりにどのように生かしていく予定でしょうか。

我々がこの大会から学んだことは、あらゆる年代で成功に満ちた代表チームを生み出すためには、草の根レベルでの育成こそが何よりも重要だということです。つまり、代表チームを頂点とする巨大なピラミッドを築くためには、適切かつ正確な基礎を整えることが必要だということです。そのためには、草の根レベルのユースサッカーに、より重点を置き、教育活動やトレーニングを促進していきたいと考えています。
サッカーのプロ化を達成した国々と比較すると、現在の我々はセミプロレベルにあります。この差を解消するため、我々はFIFAパフォーマンス・プログラムの協力を得て12の地域で50の目標達成を目指し、約500のアクションプランから成るMFF長期戦略プランを2011年に作成しました。紙の上で形作られた目標をサッカーのフィールド上で実行に移すため、MFFは多大なエネルギーと努力をつぎ込んで来ました。


-国際試合の予選を地元で開催できることは大きな意味のあることだと思いますが、予選に向けてU-16代表チームはどういった準備をしてきましたか。

我が国で大会を開催すること、モンゴルを代表して大会に参加すること、どちらにも素晴らしい意義を感じています。しかし同時に、大きな責任が伴うことであることも認識しています。 U-16代表チームは2ヶ月間のトレーニングを行ってきました。 実戦でのプレッシャーや試合感覚を体感するため、チームは今年8月10日から14日まで中国の渭南で開催されたシルクロード国際大会に参加しました。また、代表チームとの、テストマッチも実現しました。代表チームとの試合を通して彼らのノウハウを若いU-16代表選手たちと共有することができました。 フィジカル面でもメンタル面でも非常に良い準備ができていることは十分に感じられました。


-開催国として挑んだ予選を振り返っていかがでしょうか。U-16代表チームの結果や大会運営についてはいかがでしたでしょうか。

試合結果:日本が連勝で決勝進出
モンゴル 0 - 17 日本
香港 5 – 2 モンゴル
日本 7-0 香港


試合の結果に100%満足しているわけではありませんが、質の高いチームと戦うために必死に奮闘してくれた選手たちのことは誇らしく感じています。
自国開催ということで、何百人ものサポーターやファンが勝利を期待しており、プレッシャーが非常に強い中での戦いでしたが、若い選手たちにとっては目が覚めるような体験だったと思います。
大会の運営に関して言えば、専門家による報告を通してAFCから大きな称賛を受けることができました。スタッフやMFFにとって、近い未来にさらに多くの大会を開催していきたいという強いモチベーションと勇気を得られる結果となりました。




日本サッカー協会(JFA)とのパートナーシップ協定を締結したことについて

-9月15日にJFAとパートナーシップ協定を締結しました。JFAが協定締結する国の中でアジアの国では8ヵ国目、EAFF加盟協会では初となります。締結までの経緯を可能な範囲でお話しいただけますか。

この件についてご質問いただき感謝いたします。EAFF加盟協会として初めてJFAとこのような形の合意に達したことは我々にとって非常に光栄で誇らしいことです。JFAが、ピッチ上でもピッチ外でも力強い存在であることは誰もが認識していると思います。特に、女子サッカーは2011年FIFA女子ワールドカップドイツ大会で優勝し、2015年カナダ大会でも準優勝の成績を収めました。我々もモンゴル国内において女子サッカーの推進に重点を置いています。そのためにMFFは、女子サッカーに取り組むためのパートナーシップなどを推し進めていくことを決定しました。
EAFFやAFC内には他にも大きな力を持ったサッカー協会が数多く存在しています。目標達成のためにそのような協会と相互協力関係を結ぶことを、国民は心より歓迎しています

締結内容の詳細はこちら:http://eaff.com/news/3204_j.html


-この協定締結がMFFにもたらすものはどういった面になりますか。

今回の合意は女子代表チームだけでなく、モンゴル国内の女子サッカー全体にとって大きな意味を持つものです。植物の芽に水をやるように、モンゴルの女子サッカーは急速な発展を遂げることでしょう。合意の成果は、今後4年か5年の間に目に見える形となって出てくるはずです。
来年春にはモンゴルのU-14代表チームを指導するコーチが派遣されることで合意しました。モンゴル女子サッカー界の扉を開く好機になると思います。



現在のモンゴルのサッカー事情(国民の関心や盛り上がり、リーグや育成など)について

-モンゴルは冬が長く気温も最大−45℃まで下がるとお聞きします。そんな環境の中でどのようにサッカー普及を図っていますか。

確かにモンゴルのサッカーシーズンは最大でも6ヶ月間という非常に短いものです。モンゴルのサッカーは気候条件に大きく左右される部分があります。そこで我々は、より気候が穏やかな他国で選手たちのトレーニングを行うことを計画しています。現在も他国でのトレーニングキャンプ実施に向けて交渉中です。


-AFC U-16選手権予選に続き11月にはAFCフットサル選手権東アジア予選の開催も行われる予定ですね。国民のサッカーへの関心は高まってきていると感じますか。またそれはどういった部分からでしょうか。

サッカーシーズンが短いこともあり、フットサルについてモンゴルで急速な発展が可能なスポーツだと我々は見ています。
近年では、モンゴルでもUEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグ、プレミアリーグなどが生中継されています。モンゴルは伝統的にレスリング人気が高い国でしたが、サッカーの影響力も拡大しつつあり、ほぼナンバーワンスポーツとなっています。モンゴルの人々がテレビ画面以外でもさらに国際試合を楽しむことができるようにするため、我々はフットサルの大会開催をAFCに申請したのです。


-最後に現在モンゴルサッカーは成長過程にあり、今後国際試合も多くなってくると思います。モンゴル代表チームのストロングポイントやここを見てほしいといった部分をお教えください。

アジアのファンの皆さんに質問です。モンゴル以外でマイナス45℃に近い気温の中でサッカーをしても耐えられる選手はいると思いますか?そう多くはいないと思います。我々はこの点を誇りに感じています。フィジカル面やメンタル面での耐久力、また敏捷性や忍耐力がモンゴル代表チームの一番の武器なのです。サッカーへの熱意を抱くファンの皆さんには、MFF公式サイトwww.the-mff.mnで更新される最新情報にもぜひ注目していただきたいと思います。

この地球上で、サッカーは何十億人もの人々に心からの幸福を届けています。今後も人々にインスピレーションを与え続けていくことでしょう。我々も一緒になってサッカーのために尽力していきたいと思います。

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