日中韓3カ国のクラブが、アジアの舞台でしのぎを削っている。AFCチャンピオンズリーグ2013(以下ACL)が2月26日に開幕し、3カ国の精鋭が続々と登場した。
2月26日開催の第1節第1日の注目カードは、広州恒大(中国)対浦和レッズ(日本)の激突だった。
広州恒大のホームで行なわれたゲームは、中国スーパーリーグを連覇している強豪の実力が際立つものとなる。イタリアの名将マルチェロ・リッピ率いる広州は、浦和の長所を封じながら効果的なアタックで主導権を握り続けたのだ。
16分にパラグアイ代表FWバリオスが先制点をあげ、65分にはブラジル人のムリキが追加点を叩き出す。後半終了間際には相手のオウンゴールを誘い、ホームに歓喜をもたらした。3対0の快勝だ。一方、2007年以来のアジア制覇を目ざす浦和は、厳しい黒星スタートとなっている。
同じグループFでは、全北現代モータース(韓国)がムアントン・ユナイテッド(タイ)と2対2で引き分けた。韓国代表FWの“ライオンキング”こと李東国の得点などで全北現代がリードするが、後半終了直前に追いつかれてしまった。
同日はグループEの2試合も行なわれ、ベガルタ仙台(日本)がブリーラム・ユナイテッド(タイ)をホームに迎えた。ゲームが動いたのは53分だ。後半開始とともに4-3-3から4-4-2にシステムを変更した仙台が、高い位置でのボール奪取を決定機へつなげていく。53分に梁勇基が決めた先制点はペナルティキックによるものだが、必然的に生まれたものであった。
しかし76分、CKから痛恨の同点ヘッドを喫してしまう。ACL初挑戦の仙台は最後までアグレッシブに攻めたてるが、昨季のACLで柏レイソル、広州恒大から勝利をあげているブリーラムの試合巧者ぶりが、勝点1を分け合う結果につながった。
ソウルを舞台としたFCソウル対江蘇舜天の韓中対決は、昨季のKリーグ覇者が5対1で大勝した。2シーズン連続でKリーグ得点王に輝いているダミヤノヴィッチの2得点などが、ホームチームに勝利を呼び込んでいる。
翌27日開催のゲームも、注目カードが目白押しとなった。まずはグループHの貴州人和(中国)対柏レイソル(日本)の一戦だ。チャンスの数で上回ったのは、ホームの貴州だった。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表のMFミシモヴィッチとFWムスリモヴィッチのホットラインを中心に、柏の守備陣を何度となく脅かした。だが、勝ったのは柏である。前半終了間際に新外国人クレオがあげた1点を守りきり、アウェーで価値ある勝点3をゲットした。
朝鮮民主主義人民共和国代表FWの鄭大世が加入した水原三星ブルーウイングス(韓国)は、セントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)と0対0で引き分けている。鄭大世はフル出場を果たし、新天地に適応していることを感じさせた。
グループGの浦項スティーラーズ(韓国)対北京国安(中国)の一戦も、0対0のドローに終わった。同グループのサンフレッチェ広島(日本)は、ホームでブニョドコル(ウズベキスタン)に0対2の苦杯をなめた。2度目のACL出場となる広島には、手痛い黒星である。
ACLに出場している日中韓の各クラブは、ほぼ漏れなく代表クラスのプレーヤーを擁している。EAFF東アジアカップ2013で活躍が予想される選手が集う機会としても、ACLは注目を集めている。