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EAFF E-1 Football Championship Round 1 Guam 男子代表レビュー

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10passion

July 7, 2016

No.56

2016年6月30日から7月4日まで開催されたEAFF E-1Football Championship Round 1 Guamでは、東アジア各地から4つの男子チームがグアムに集結し、それぞれのチームが第2ラウンド進出を目標に戦った。

GFAナショナルトレーニングセンターの素朴な人工芝のピッチで試合を行ったチャイニーズタイペイ、マカオ、モンゴル、北マリアナ諸島の代表チームは、いずれも過去の大会と比べて大幅な改善の跡を見せていた。

勝利を手にしたのはチャイニーズタイペイ。チャイニーズタイペイでの開催が予定される第2ラウンドへと駒を進め、朝鮮民主主義人民共和国、香港、グアムに挑戦するチャンスを手に入れた。

日本のベテラン指揮官である今井 敏明監督に率いられたチャイニーズタイペイは、非常にダイナミックなスタイルのサッカーを披露していた。3試合のいずれも攻撃面で力を発揮し、計13ゴールを生み出している。

だが、今井監督はこの成功にも興奮を抑え気味で、早くもさらなる成長のために何が必要となるかを見据えている様子だ。「守備面のスキルを改善する必要があります。次のラウンドではより厳しい相手と戦うことを考えればなおさらです」と61歳の指揮官は語った。



大会のスターとなったのも、やはりチャイニーズタイペイの選手だった。7ゴールを記録して得点王とMVPに輝き、東アジア屈指の有望株として名乗りを上げた Chieh-hsun Linだ。23歳の彼は印象的なテクニックや戦術的スキルを見せていたが、チームへのあくまで献身的な姿勢や謙虚な性格も記憶に残った。指揮官が彼につけたニックネームにもそういった特徴が反映されている。日本語で「ジミ」というものだ。

29歳の若き指揮官Battulga Zogrit監督に率いられたモンゴルは、3試合を通して成長していく姿を見せていた。このチームでも、Bayarjargal Oyunbat(26)という一人の選手が印象的な活躍を披露。クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシといった選手たちが決定的なPKを失敗してしまったのと同時期に、彼は4本のPKで4ゴールを記録している。

ユース時代のキャリアの一部を日本で過ごしたBayarjargalは、3試合の全てで際立ったパフォーマンスを見せて観客を楽しませていた。未来のモンゴル人サッカー選手とはこういうものだという姿を示していると言えるかもしれない。天性の才能と自信をどちらも兼ね備えた選手であり、決断力もフィジカルの強さもある。それをどの試合でも90分間を通して維持し続けていた。



「このチームは新しいチームであり、若いチームです」とBattulga監督は語る。「しかし、彼らが大会を通して見せてくれた成長ぶりには満足していますし、未来への期待も抱いています」

今大会に関して言えば、マカオこそがおそらく最も「格を上げた」チームだったと言えるだろう。勝ち点4という成績(前回大会と同じ)で終了したことは事実だが、最終戦の残り10分の時点でチャイニーズタイペイと2-2の同点だったIao-SanTam監督のチームは、あと1点を奪えば大会を優勝チームとして終えられる状況だった。だが最終的には失点を喫し、最終スコア2-3で敗れる結果に終わっている。

監督は悔しさを言葉に表しながらも、将来へ向けた希望も同じくらい抱いている様子だった。「マカオサッカー界にとっての歴史的な結果を手にするまであともう少しでした。しかし、選手たちは本当に全力を尽くしてくれたと思います。こういう若いチームにとっては非常にポジティブなことです」

香港のクラブでプレーする23歳のLeong Ka-Hangこそ、監督のその感情を最も強く体現する存在だった。モンゴル戦でエリアすぐ外から左足で突き刺したセーブ不可能なシュートは、今大会ベストゴールだったと考えて良さそうだ。Ka-Hangもまた、今後の試合で注目していくべき選手の一人だ。



最後に北マリアナ諸島代表は、マカオを下して歴史的なチーム初勝利を挙げた前回大会のような見事なパフォーマンスを再現することはできなかった。それでもいくつかの明るい要素を見せていたのは確かだ。

日本の関口 潔監督に率いられ、18歳の有望なストライカーMichah GriffinからベテランGKのJohann Noetzel(39)に至るまで奮闘を見せた北マリアナ諸島チームは、3試合のうち2試合でゴールを記録することに成功。非常に若い選手たちが貴重な経験を積んだという収穫を持ち帰ることができる。



「今回のチームには、一番若い者で15歳という選手もいました。こういう国際試合は、北マリアナ諸島がより強い代表チームとサッカー文化を築いていく上で非常に重要なものとなります」と関口監督は語る。

EAFFの国際審判チームにも称賛の言葉を贈るべきだろう。彼らは安定したレフェリングを見せていた。多くの試合が焼けつくような太陽のもと30℃を軽く越える気温の中で行われたが、審判たちのスタミナも印象的だった。

最後ではあるが、グアムサッカー協会が今回も完璧にホスト役を務め上げ、参加した全ての関係者から満場一致で認められたことも重要だった。次の舞台はチャイニーズタイペイだ。
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