2016年のチャイニーズタイペイ男子代表チームは、過密スケジュールの国際試合をこなすことで士気が上がったが、女子サッカーの向上や他国との関係強化など、向き合うべき課題も数多く残されている。
就任して2年のチャイニーズタイペイサッカー協会の会長LIN Yong-Cheng氏は、EAFF E-1フットボールチャンピオンシップ2017予選ラウンドにおいて、代表チームが時に苦しい状況下でも活躍してくれたことに刺激されたという。
「(ラウンド1における男子チームの)目標は3試合全てに勝つことで、それは達成できました。チームが強く団結し、選手たち大きな自信となりました」
「直前で監督が交代し、ラウンド2が厳しくなることは分かっていました。黒田監督は(協会のユース育成統括として)4年前からチャイニーズタイペイにいましたので、多くの選手たちは彼のことをよく知っており、顔馴染みの人がチームを率いることを喜んでいました」
「彼はチームを団結させましたし、コーチ陣それぞれが指導を行えるようにしています。男子代表チームの未来は明るいと思っています」
LIN氏は、圧倒的に強かった韓国に次ぐ2位に終わった女子代表チームについて、政府からの資金援助で年間を通しての練習が可能となっても前進に苦戦していることを、率直に認めている。
「20年ほど前には、我々の女子チームはアジアトップ4に入っていました。そのレベルに戻るためには、草の根の育成プログラムに集中する以外の選択肢はありません」とLIN氏は、香港フットボールクラブで行われた韓国戦に0-9の一方的な敗戦を喫したことに言及した。
「セミプロあるいはプロの女子リーグを設立できれば、選手たちは金銭面での保証も得られることになります」
「若手選手育成に集中するだけでなく、すでに育成段階を終えた選手たちも援助しています。チャイニーズタイペイに男女のプロリーグを持つことができれば大きな助けになるのですが、簡単なことではありません。ここではプロ選手も、医者や弁護士ほどの尊敬を受けられるわけではありません。そういう大きな文化的困難を乗り越える必要があります」
10月に行われた東ティモールとのプレーオフに見事勝利を収めた男子代表チームは、AFCアジアカップUAE 2019の予選突破を目指している。CTFAはまた、提携関係の締結や国際大会の開催を通して、地域内の地位向上も図ろうとしている。
「もちろん組み合わせ次第ではありますが、アジアカップについては楽観視しています」と述べるLIN氏は、国際的な存在感向上の重要性についても強調している。
「サッカーは世界で最も人気の高いスポーツであり、チャイニーズタイペイ代表チームの成長を通して世界的に我々の存在感をより高めるめたいと思います。もちろん一方で、草の根プログラムへの注力を忘れることもありません」
「育成レベルから代表チームまで、チャイニーズタイペイのサッカーに関わる全員と近くで仕事をしたいと思っています。スタッフにも、あらゆるレベルにおいて同じくらい仕事に取り組む姿勢を持ってほしいと思います。我々は家族のようになることが必要です」