2大会に渡りAFC U-19選手権でベスト8敗退を喫し、世界(U-20ワールドカップ)への扉を閉ざされてきた世代だが、手倉森誠監督に率いられたチームはリオデジャネイロオリンピックへの出場権をかけたAFC U-23選手権で見事な優勝を飾り、アジア王者として堂々のオリンピック出場の切符を勝ち取った。
強みは何といってもチームの結束力であり、試合を通じて全員でハードワークできる体力と精神力を備えている。今年に入って右サイドバックの室屋成やセンターバックの岩波拓也が大きな負傷を経験したが、懸命なリハビリで本戦に間にあった。3人のオーバーエージ枠はセンターバックとサイドバックをこなせるDF塩谷司、俊速の左サイドバック藤春廣輝、得点感覚に優れるFW興梠慎三とJリーグでトップクラスの実力者と認められる選手たちで、オリンピック出場へのモチベーションも非常に高い。4-4-2をベースに堅い守備から試合を進め、チャンスと見れば一気に人数をかける速攻が武器となる。欧州で活躍する南野拓実、イングランドの名門アーセナルに加入が決まった浅野拓磨といった楽しみなアタッカーはいるが、生命線は組織力だ。
世界を舞台とした戦いでの経験不足は不安材料だが、チーム一丸で前回ロンドンオリンピック2012のベスト4を上回るメダル獲得に挑む。