東アジアサッカー連盟(EAFF)が誇る強豪2カ国が、2014 FIFAワールドカップブラジルの出場を決めた。日本と韓国が、アジア最終予選を揃って突破したのだ。
世界への扉を先に開いたのは、最終予選グループBを戦った日本だ。6月4日に行なわれたホームのオーストラリア戦で引き分け、5大会連続5度目の出場をつかんだのである。
ゲームの展開はスリリングだった。0対0で迎えた81分、オーストラリアのトミー・オアーが左サイドから放ったクロスが、日本のGK川島永嗣の頭上を破る絶妙なシュートとなったのである。
静まり返るスタジアムに、オーストラリアの歓喜が弾ける。しかし、ワールドカップ予選では一度も負けたことのない埼玉スタジアム2002で、日本は驚異的な粘りを見せた。後半ロスタイムに突入した直後、ペナルティキックを獲得するのだ。
キッカーの本田圭佑は、左足でゴール中央へ強烈なシュートを放つ。GKマーク・シュウォーツァーの読みを上回る一撃が、豪快にゴールネットを突き刺した。1対1に追いついた日本は勝ち点1を上積みし、1試合を残して2位以内を確定したのだった。
オーストラリアはグループ2位で予選突破
日本と勝ち点1を分け合ったオーストラリアも、混戦の2位争いから抜け出す。6月11日のヨルダン戦、同18日のイラク戦に連勝し、グループ2位に滑り込んだのだった。
イラク戦は両チーム無得点のまま終盤へもつれるが、途中出場のジョシュア・ケネディのヘディングシュートが決勝点となった。83分に生まれた待望のゴールに、8万人の大観衆が沸き上がった。オーストラリアのFIFAワールドカップ出場は、3大会連続4度目である。
最終節まで苦しみながらも8大会連続出場を決めた韓国
一方、グループAの韓国は最終盤で冷や汗をかくこととなった。
6月18日の最終節を前に、韓国は勝ち点14で首位に立っていた。2位のイランは勝ち点13、3位のウズベキスタンは勝ち点11である。韓国対イラン、ウズベキスタン対カタールの最終戦の結果次第で、順位が大きく動く可能性を秘めていた。
ソウルで行なわれた一戦は、60分にスコアが刻まれる。得点を奪ったのはイランだ。韓国DFのボール処理のミスを突き、グーチャンネジャードが冷静にゴールヘ流し込んだ。
試合はそのままイランが勝利を収める。この時点でイランが首位へ浮上し、韓国は2位に転落した。ウズベキスタンがカタールに勝利すれば、残り一つの出場枠は得失点差へもつれる。3位となった国は、グループB 3位のヨルダンとの5次予選(アジア地区プレーオフ)へまわることになる。
ウズベキスタンは勝った。5対1で大勝し、韓国に勝点14で並んだ。
気になる得失点差は韓国が+6、ウズベキスタンは+5だった。わずか1点の差で、韓国は8大会連続9度目のFIFAワールドカップ出場権を手にしたのだった。
「自分が代表を率いるのはアジア最終予選まで」と明言していた崔康熙(チェ・ガンヒ)監督は、イラン戦後に辞意を表明する。後任には第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)で、U-23韓国を3位へ導いた洪明甫(ホン・ミョンボ)氏が就任した。
日本のJリーグでも活躍した新監督の初陣は、日本、中国に加えてオーストラリアがゲスト参加するEAFF東アジアカップ2013だ。7月20日開幕の同大会から、これまで以上に目が離せなくなってきた。