日韓両国が“戦闘モード”へシフトした。
2014 FIFAワールドカップブラジルのグループステージ組み合わせが決定し、両国の監督と選手たちは改めて決意を深めている。
韓国代表の洪明甫監督は、「自分たちがどれだけ良い準備をできるのかが大事になる」と語り、日本代表を率いるアルベルト・ザッケローニ監督も、「対戦相手がどうこうではなく、自分たちがどのように戦うのか大切になる」と話している。
7月のEAFF東アジアカップ2013から指揮を執る洪明甫監督は、チームを確実にレベルアップさせている。11月15日には2014 FIFAワールドカップブラジルの抽選で第1ポットに選ばれたスイスを、ホームで2対1と下した。
4日後にはUAEへ舞台を移し、ロシアと激突した。前半早々に金信旭(蔚山現代)がゴールネットを揺らし、その後もたびたび相手ゴールへ襲いかかる。最終的には1対2で敗れたものの、チームの成長を印象づけた。
ワールドカップ・イヤーとなる2014年は、1月のブラジル合宿からスタートする。国内クラブ所属選手を中心としたチーム編成が見込まれ、その後はアメリカへ移動し、コスタリカ、メキシコ、アメリカと、2014 FIFAワールドカップブラジル出場3か国とテストマッチを行なう。
本大会の対戦相手は、ベルギー、ロシア、アルジェリアとなった。グループ内でFIFAランキング最上位のベルギーは、主力選手のほとんどが欧州のビッグクラブに在籍する。レベルの高い個人が組織的なサッカーを展開しており、今大会のダークホース的存在だ。
ロシアも実力国だ。イタリア人のファビオ・カペッロ監督は、これまで国際舞台で欠けていた勝負強さをチームに植えつけた。守備力に定評のあるアルジェリアも侮りがたい。実力伯仲の4か国が揃うグループであり、どのチームにもノックアウトステージ進出のチャンスがありそうだ。
一方の日本代表は、コロンビア、ギリシャ、コートジボワールとのグループCに組み込まれた。南米予選を2位で通過したコロンビアの前評判が高いものの、こちらも拮抗した戦いが繰り広げられそうだ。
グループステージ突破のポイントは、コートジボワールとの初戦にあるだろう。2010 FIFAワールドカップでは、カメルーンとの開幕戦に勝利したことでベスト16入りの道が開けた。最低でも勝ち点1を獲得し、残り2試合につなげたい。
日本に好材料がある。コートジボワールと対戦するレシフェは、FIFAコンフェデレーションズカップ2013のイタリア戦が行われた場所だ。スタジアム内外の雰囲気をあらかじめ体感しているのは、ザッケローニ監督のチームが持つアドバンテージと言える。
過去のワールドカップで残してきた実績も、各国の命運を左右するかもしれない。最新のFIFAランキングで4位に食い込むコロンビアは、1998 FIFAワールドカップ以来の出場だ。コートジボワールとギリシャは3大会連続の出場だが、過去2度はグループステージで敗退している。
ひるがえって日本は、02年と10年にベスト16へ進出している。GK川島永嗣、MF長谷部誠、遠藤保仁、本田圭佑ら、4年前の大会を経験している選手も多い。様々な思惑が絡み合い、高度な駆け引きが展開されるワールドカップを勝ち抜く術を、彼らは知っているのだ。
EAFFから世界へ飛び出す2か国は、どのような戦いを見せてくれるのか。世界が注目する祭典の足音が、はっきりと聞こえてきた。